コース概要
血液ガスの読み方を学び、そのデータから原因診断(原因疾患診断)を行う方法を学ぶコースの第2部(症例編)です。具体的には、酸塩基平衡異常の診断から原因診断(原因疾患診断)を行う方法を学ぶコースの症例編です。
酸塩基平衡異常の読影法、及び酸塩基平衡異常から原因診断の一般的考え方については、血液ガスコースⅠ(理論編)で学びました。このコース(血液ガスコースⅡ:症例編)では、血液ガスコースⅠ(理論編)を元に、酸塩基平衡異常の中で一般的に重篤な代謝性アシドーシスと呼吸性アシドーシスを中心に、症例を元にその機序の理解と原因診断する方法を学びます。
コース進行方法は、講義方式ではなく、実際の症例をもとにした実践的なコースです。このコースは2021年1月まで行っていました血液ガスコースの後継コースです。
このコースは、ACLSコースやACLS-EPコースを受講するためには有益と思われますが、ACLSコースやACLS-EPコースの受講に必須ではありません。希望者のみの自由参加コースですので、認定証は発行されません。
コース内容
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1.代謝性アシドーシスの臨床的意味と原因診断法
酸塩基平衡異常の中で一般的に最も重篤な病態が代謝性アシドーシスです。また、代謝性アシドーシスは乳酸アシドーシス、ケトアシドーシス(糖尿病性、アルコール性)、腎性アシドーシスに分類されます。この病態の臨床的意味、及び原因診断法についてわかりやすく説明します。特に重篤度及び頻度が高い乳酸アシドーシスの原因診断が中心となります。
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2.呼吸アシドーシスの臨床的意味と原因診断法
酸塩基平衡異常の中で一般的に2番目に重篤な病態が呼吸性アシドーシスです。呼吸性アシドーシスの原因は大きく2つに大別され、大部分がⅡ型呼吸不全(CO2ナルコーシス)、残りが中枢性呼吸抑制です。前者の中で圧倒的に多い原因は心不全、後者の中で圧倒的に多い原因はてんかん(非痙攣性)です。これらの臨床的意味、及び原因診断法についてわかりやすく説明します。
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3.症例の実践診断法
セミナーコースの症例実践の基本的アプローチである、病歴、バイタルサイン、血液ガス、心電図の4つの情報から即座に診断を行う理論・アルゴリズムを実践していただきます。このセッションで提示する症例は以下のとおりです
1)乳酸アシドーシス:胸部大動脈解離破裂・腹部大動脈瘤破裂
2)乳酸アシドーシス:くも膜下出血
3)アルコール性ケトアシドーシス:アルコール依存症
4)呼吸性アシドーシス:心不全、CO2ナルコーシス(Ⅱ型呼吸不全)
5)呼吸性アシドーシス:てんかん(非痙攣性)
6)呼吸性アルカローシス:過換気症候群、ストレス性心筋症
受講条件、コース時間、受講料
受講条件 |
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どなたでも受講できます
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コース時間 |
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約4時間(午前の場合と午後の場合があります)
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受講料 |
| 初回のみ7,700円、2回目以降は無料で何度でも受講可能です。尚、2021年1月までの血液ガスコースの受講者も無料です。 |
講師
- 河野 寛幸(こうの ひろゆき)
- 福岡博多トレーニングセンター理事長
- 日本救急医学会専門医、日本脳神経外科学会専門医、臨床研修指導医
評価と認定
希望者だけの自由参加コースのため、認定証はありません。
使用テキスト
コース当日に、このコースのための「コース資料」を受付にて配布いたします。